「合唱・伴奏用」はB5サイズに設定してあります。
「会衆用」はA4サイズに設定してあります。
:会衆用楽譜は、A5サイズを想定してレイアウトしてありますので、1枚の原稿の中に2枚分が含まれます。
A4で印刷したものを半分に裁断してお使い下さい。
【ご注意下さい
教会や修道院における使用以外の目的による複製は、
祇園教会聖歌隊までメールにて(gion_seikatai@yahoo.co.jp)ご一報ください。


ミカ書 第5章1節―5節について

 ミカ書の当該箇所(※「まことに彼こそ神の平和」の歌詞に用いられた箇所)は、C年の待降節第4主日の第一朗読として選ばれています。
  アッシリアによる北イスラエル王国の滅亡(B.C.722年)は、南ユダ王国にとってもその政治的運命をにおわせる出来事であったに違いありません。ユダ王国の支配者たちに対する厳しいミカ預言者の言葉は、都エルサレムの滅亡とともに終末的な救いを求める祈りへと高められていくのです。
 イスラエルやユダを支配したアッシリアやバビロニアからの解放の希望は、その後のペルシャやギリシャからの解放へと続く民族の歴史の中に見いだすことができるのです。この解放を希求する人々の思いは、第二のダビデと考えられている救い主の誕生を預言するこのミカ預言書の箇所に、その源泉を見いだすことができるでしょう。
 これらの政治的な解放は、様々な試練や困難に直面する人々の心の内奥からの叫び、救い主の到来への希望へと昇華していくのです。ミカ預言書の言葉は、真の救いへの希求と、救い主への待望を表す待降節の心を味わうに相応しい言葉でしょう。

【祇園教会主任司祭 Fr.山根敏身】

作曲者より

教会で選曲に関わった事のある方は大体同じような悩みを経験なさると思いますが、カトリックで一般 的に使われている聖歌集の中に、待降節の閉祭に相応しい曲は、ほぼ皆無です。僕も去年の待降節に、ご多分に漏れずその悩みを持っていました。プロテスタントの賛美歌には待降節(アドヴェント)のための曲が沢山ありますから、それを使わせてもらうという選択肢もあります。音楽は洋の東西、時代形式を問わずに味わい深いものが沢山あるのですが、どれも歌詞がピンと来ない。もっと聖書のことばをダイレクトに使った良い曲はないものかと。そうこうしているうちにクリスマスは終り、年も明け、その悩みは「まぁいいか」となし崩し的に封印され、頭は四旬節に切り替わってしまいました。

四旬節も終わってしばらく経ったある時。作曲研究の課題で合唱曲を書くために聖書を見ていた時に、偶然この「ミカ5章」が目に留まりました。待降節の閉祭、これしかない、とピンと来ました。僕の専門は作曲ではないか!相応しい曲がないなら作ってしまえ!! と、思い立ったが吉日。この曲が誕生しました。

曲はA-B-A'の単純な三部形式です。Aの部分「ベツレヘムよ〜民を治める者が出る」は、メロディーにあまり動きがありません。前半はミ♭とファだけ、後半はシ♭とラ♭だけ(1つだけ動きますが)です。その代わりベースラインは下のラ♭から上のラ♭まで見事に1オクターブ順次進行します。こんな極端な事をする曲は他に見た事ありませんが、待降節のつつましく内省的な雰囲気(動きの無いメロデイー)の中で、心の深い所からキリストの誕生の希望(上行するバス)がわき上がってきませんか?

Bの部分「彼は大いなる〜地の果てに及ぶ」は、「地の果てに及ぶ神の力」を感じるために、主調である変イ長調から徐々に平行調であるヘ短調へ向かい、そこで力強く半終止します。演奏に際しては、フェルマータ付きの音符は、単純に付点二分音符と考えて頂いても構わないと思います。
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A'「まことに〜最後」は構成的にはAの再現ですが、Aがドミナントからの強い終止(第一展開形からですから強い印象はあまり受けないかも知れませんが)だったのに対して、A'はサブドミナントからの非常に柔らかい終止です。馬小屋ですやすや眠る赤ちゃんイエスと、それを見守るマリアとヨセフ。私は、こんな微笑ましく平和な情景が目に浮かびます。最後の小節はアルトとテノールが歌いにくいですが、是非、この柔らかく平和な和音(「IV の七」→「Iの九」)を感じて、味わって頂きたいと思います。

この曲は、今年(2008)年の待降節にデビューですから、まだ使われた事がありません。楽譜は、「混声合唱・伴奏用」「会衆用」の2種類の楽譜がダウンロードできますので、色々な教会・修道院で是非使っていただきたく思います。また、祇園教会聖歌隊の協力のもと、録音したものを載せる事もできました。お聴きになった感想や、実際に使ってみた感想をメールにて(gion_seikatai@yahoo.co.jp)頂ければ、また新たな曲を作る原動力にもなると思います。拙い作曲技術しかもたない未熟な信仰者の作った曲ではありますが、この曲に生命を吹き込む事にご協力いただければ幸いです。


【外山 愛(とやま・いつし)】