オルガン制作者より

パイプオルガン(以下オルガン)の特徴は演奏法からみれば鍵盤楽器であり、発音原理からは管楽器です。その歴史は非常に古く、その起源は紀元前3世紀の古代エジプトにさかのぼります。中世になりヨーロッパにおいてオルガンはキリスト教の教会で使用されるようになりました。そして数世紀にわたる教会の長い歴史や民族性等によって育まれてきました。特に17世紀後半から18世紀(バロック期)にかけて大バッハの活躍と同時に多くの著名なオルガンビルダーが活躍し傑作が作り出されました。
  祇園カトリック教会のオルガンは完成度の高いドイツバロック期の伝統的な流れを規範とした楽器で、2段手鍵盤(56鍵)とペダル鍵盤(30鍵)を有し、12のストップ即ち12種類の音色を持ち合わせ、そのパイプ総数は758本です。
  第1鍵盤は力強くしっかりとした最もオルガン的な音色のプリンシパルのパイプを中心に構成され、会衆賛美を支えます。
  対照的に第2鍵盤は柔らかで繊細な音色のフルート管で構成されています。そしてこれら全てのパイプは1つの密閉された部屋の中に組み込まれており、その部屋の全面 にあるスウェルシャッター(鎧戸)の開閉により音量の変化をつけることが出来ます。これは時に静かに瞑想的に祈りの伴奏をし、又時には叙情的に旋律を歌い上げます。
  ペダル鍵盤には2つのストップがあります。これらの2つのストップは、オルガンの響きを支え充実させる低音域のパイプです。又、ペダル鍵盤で旋律を演奏するときには、カプラーで手鍵盤のパイプを使う事が出来ます。
  ファサードは第1鍵盤の Prinzipal 8 ’のパイプで構成されており、中央のタワーには5本のパイプがあります。これらは、全ての福音書に記述されているキリストの奇跡で、5千人の人々に食べ物を与えたときの5つのパンをイメージしています。その両脇のパイプはその恵みを受けた人々です。この話のようにこのオルガンによって多くの方々に慰めが与えられますように祈ります。
  この文章を終えるに当たり、私達一同に多大な信頼を寄せて下さいました祇園カトリック教会の皆様に心より感謝申し上げます。                                
株式会社 マナ オルゲルバウ 代表取締役 中里 威