謝の讃歌(1)―歌詞と聖書―

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 感謝の賛歌は、大きくわけて2つのブロックからなっています。いわゆるSanctus(聖なるかな)の部分とBenedictus(ほむべきかな)の部分です。Sanctus部分の歌詞は、次のようになっています。

聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主。
主の栄光は天地に満つ。

天のいと高き所にホザンナ。


 前半部の核となっている下線を引いた部分は、イザヤ書6章3節 に基づきます。この聖書箇所から明らかなように、“万軍の神なる主”とは父なる神を指します。この部分のポイントは、神を賛美するために「セラフィム」の歌声を使っている所です。6世紀の神学者ディオニュシス・アレオパギテースによれば、セラフィムは神に最も近いとされる天使です。つまり、我々人間の不完全な言葉ではなく、最高の言葉を用いて父なる神を賛美している、という事をシンボリックに表現している、と解釈する事も可能ですし、あるいは後半部分との組み合わせで、天上の賛美を表現している、と解釈する事もできます。

【外山 愛】