ミサ曲の解説を終えるにあたって

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 これは音楽だけではありません。例えば朗読者は、単に決められたタイミングで聖書を音読するのではなく、会衆が座って聞く準備ができてから、朗読台という公の場所において神から言葉を預かった者として語らなければなりません。
  例えば会衆は、アレルヤ唱が始まったから立つのではなく、福音朗読を聞くに相応しい姿勢を取るために起立するのです。 例えば奉納奉仕者は、決められたタイミングで入り口から祭壇までホスチアを運ぶのではなく、感謝の典礼の1番始めに「大地の恵み、労働の実り」を、全会衆の代表として感謝をこめて捧げるのです。
  このように、典礼の中の「1つの行為」が、前後の繋がり、ミサの中での繋がり、果 ては信仰生活への繋がりまで一本の線に結ばれていなければ、その意味は希薄なものになってしまいます。ミサとは、単に繰り返される儀式ではなく、「今(ミサに参加している)この瞬間に」キリストと私たちを結びつけてくれるものなのです。
【外山 愛】