あわれみの讃歌

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  典礼の中における位置づけを考えたとき、あわれみの賛歌はその原型が連願だった、という事実がとても重要です。日本ハリストス聖教会で使われるクリゾストモ典礼の大連祷の一節を抜き出してみますと、「(輔)上よりくだる安和と我らが霊の救いのために主に祈らん」「(会)主、憐れめよ」というやり取りがあります。つまり輔祭(助祭)が唱える祈願に対する「主、憐れめよ(Kyrie eleison-主よ、あわれみたまえ)」という応唱は、「私たちの祈りを聞き入れて下さい」というニュアンスを内包しているのです。  わたしたちが用いるローマ典礼では、あわれみの賛歌の前に「回心の祈り」 があります。祈願に対する答え、という性格は(拡大されていますが)その構図の中に昔の姿を残しています。現に回心の祈り第三形式と呼ばれる形では、連願の形になっています。
【外山 愛】